14. 多層ポリ袋について

◆ LDPEとHDPEの長所を融合した新しいフィルム

最近では、ポリ袋にも多層技術が盛んに導入されております。インフレーションの際に複数の円形ダイを設置し多層の状態で樹脂を押出し、未だ樹脂が結晶化していない状態でフィルムとフィルムを熱溶着させる(共押出し)技術です。外見は全くの 1 枚もので目では多層か否かは判別できません。ただし、断層面を偏光顕微鏡で観察するとそれぞれの層が重なり合っているのが確認できます。この技術の理由は、従来LDPEHDPE単体の袋では要求するスペックが満足できない場合、多層化にする事によりそれぞれの長所を融合させ新しいフィルムを作り上げるという考え方です。

例で説明しますと、肉厚0.1 mm位の防湿性の良い袋を検討していた場合、HDPEの方がLDPEに比べますと樹脂密度が高く「防湿性」に優れかつ引張強度に優れます。よって、HDPE袋を選択したくなるところですが、HDPEは厚肉化した場合柔軟性に欠け、クラッキングによるピンホール特性に劣りシール強度に劣ります。
また、イオン重合によりY軸方向に反応が進みますので、Y軸方向への方向性があり引裂強度に劣ってしまいます。また、それに 0.1 mmのHDPEはもう「ごわごわ」状態で、袋としては非常に使いづらいものとなります。こんな場合HDPEを中間層に使い、外側にLDPE若しくはLLDPEを使用します。そうする事により、柔軟性に富み、かつ防湿性の良いシール強度に優れた(引張強度に優れたHDPEが保持機材となり、通常のLDPE単体の場合より強度アップが図れる)ポリ袋が生産可能となります。

その他には、内側にHDPEを用いて開口性(口開き)に優れたポリ袋の生産や、外側に持ってきてスリップ性に優れたポリ袋の生産も可能となります。場合によっては同じLDPE同士で多層化し、内側の被包装物の接触する層は無添加や低臭タイプのフィルムを使用したり、外側にはピンホール特性の良いメタロセン触媒フィルムなどを使用した飲料向けの多層袋も生産されております。