32.クリーンポリ袋の清浄度って??

最近、色々な分野からクリーンポリ袋のお引き合いを頂戴する機会がとても多くなりました。当社にとりましては大変あり難いことでありますが、そのお引き合いの中でちょっと感じた事がありますので豆事典にアップしました。
それは、お客様から、「クリーンポリ袋がほしい。class1000の袋だ」とか「class10000の袋だ」とご用命を頂戴する事が間々あるのです。これには、当社スタッフもどうお答えしたら良いものか困ってしまうのが本音です。お客様のクリーンルームの清浄度管理がclass1000やclass10000で、その環境下でも使用できるだけの清浄度を持った袋が必要!! であるという意味ならそれ相応の製品をご紹介させて頂く事は容易です。しかし、袋自身がclass1000とかclass10000をご要望して頂いているようなケースが多いのです。本豆事典をご愛読頂いている皆様はご周知の事と存じ上げますが、そもそもclass1000とかclass10000はクリーンルームの清浄度の基準[米国連邦規格1988年(FED-STD-209D)]であり、単位は英国単位(キュービクルフィート=FS単位)で、0.5µm以上粒子を基準として立方フィート中の粒子数を表示致しております。よって、1立方フィート(約28.31L)中に0.5µmパーティクルが1000個ならclass1000(5µmパーティクルが7個)、class10000(5µmパーティクルが70個)なら10000個存在しているという意味であります。

従いまして、あくまでも『class1000』や『class10000』はクリーンルームの清浄度をあらわす単位であり、袋そのものの清浄性を表す単位ではありません。どうしても袋をクリーンルームと見立て、袋の中にどれだけのパーティクルがあるのか? と考えますれば、袋の中に約28.31Lの超純エアーを入れて中のパーティクルを攪拌して、パーティクルカウンターでその中のエアーを測定する方法も考えられないわけではありません。しかし、この方法の場合、攪拌時(パーティクルを袋内に均等分散させて測定するため、袋をポンピングする等)発生した袋の静電気により微細なパーティクルは袋のフィルム面に引き付けられパーティクルが大幅に少なく測定されてしまったり、「湿度」「温度」「ポンピングの強さ・場所・方法」等々・・・・測定条件により大きな測定差が発生してしまいます。よって、クリーンルーム等でルーム内エアーを測定する従来型のドライ用パーティクルカウンターで袋の内面のパーティクルを測定するには不向きであります。よって、袋の品質を『class』で表現する事は難しいのです。

それでは、袋等の内面のパーティクルはどうやって測定するのか? 当社では、袋の中に無塵の水を入れ、攪拌し袋のフィルムに付着している不溶性微粒子を無塵水の中に洗い流し、その水のパーティクルを測定する方法を選択致しております。よって、袋の中に入れる無塵水のブランクデーターさえしっかりしていれば、その差が袋のフィルム表面に付着していた不溶性微粒子となるわけです。この方法は、静電気の影響も受けませんし、手順も標準化しやすく、データー比較が容易に出来ます。よって、この方法の場合class表示概念とは大きく異なるため当社スタッフがお客様のご質問に答えづらくなるわけです。ただ一般のポリ袋の場合、袋内に2µm以上の不溶性微粒子が、数百万個存在致しておりますのでこの方法で測定致しますと一目瞭然でクリーン袋との差がデーターとして確認できるのです。

また、重要なのはお客様がどの大きさのパーティクルまで管理なされるかです。通常医薬品包装の場合、µm以下のパーティクルは問題視致しません。これは、水性注射剤容器の規格もしかりです。しかし、ウェハー分野のキャリーケースの搬送包装の場合は、µm以下の管理要求があります。さらに、パーティクルだけではなく、「金属不純物」や「イオン」のギャランティーもあります。ただ、一般的に電子デバイス分野の場合、µm以下の管理要求は少ないのも事実です。当然これはコストに直結致しますので、µm以下の管理要求がない場合はそのような製品はコスト高に繋がりお勧めできません。やはり非包装物や管理要求を良く話し込ませて頂き、どのレベルのクリーン袋が良いか? 包装設計するのが大切であると感じます。ちなみに本文下記の関連アソー製品が、FED-STD-209DとFED-STD-209Eの規格です。

FED-STD-209DとFED-STD-209E規格の比較表とISOクラス分類表(PDFファイル)

最後に余談にはなりますが、日米欧を中心に初の世界統一規格として作成が進められています。ISO規格は「クリーンルームと付帯する制御環境」を規定した次の二つから構成されております。

  • 1) ISO 14644-1 Part1 「空気清浄度のクラス分け」
  • 2) ISO 14644-2 Part2 「試験及びモニター手法」

ISOクラス表示では、基準粒子径は0.1µm、基準体積は1m3で、JIS方式が取り入れられています。ちなみに当社クリーンルームは、下記ISO清浄度class「6」であります。