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9.静電気防止剤とは?|ポリ袋に使われる静電気防止剤の効果と注意点


 酸化防止剤・滑剤・アンチブロッキング剤(AB剤)は生産工程において不可欠な添加剤ですが、
その他に特定の目的で添加される添加剤もあります。

 その代表的なものが「静電気防止剤」です。

 ポリ袋は電気抵抗が高く、摩擦や接触によって静電気が発生しやすい特性を持っています。
 静電気防止剤はこの帯電をできるだけ早く放電させるためのもので、現在主流となっているのが
「界面活性剤」です。
 
 界面活性剤系の静電気防止剤には、「アニオン系」「カチオン系」「ノニオン系」「両イオン系」
などの種類があり、ポリ袋に練り込んで使用されます。

(1)練り込み方法

 押出機で樹脂を溶融・混練する際に、あらかじめポリエチレンレジンに粉末状の静電気防止剤を
20%~40%程度混ぜ込んだマスターバッチを加え、静電気防止フィルムを製造します。

 この手法を「練り込み」と呼びます。
 
 この方法により、樹脂中への静電気防止剤の分散性が向上し、より均一な静電気防止効果が得られます。
 しかし、混練ムラが生じると、均一な効果が得られなかったり、過剰なブリードアウト(表面への析出)
による弊害が発生する場合があります。

(2)静電気防止剤の種類

 静電気防止剤として一般的に使用されるのは、「界面活性剤」と「炭素や電気伝導性の高い金属酸化物
などです。

  • 界面活性剤タイプ
  ポリ袋の内部で適度な相溶性を保ちつつ、時間の経過とともに表面に移行(ブリード)します。
  親油基を内部に親水基を表面に向けた状態で存在し、空気中の水分を吸着して導電層を形成し、
 電荷を逃がしやすくすることで帯電防止効果を発揮します。
  ただし、界面活性剤自体は導電体ではないため、効果は限定的です。

  一般的に、表面固有抵抗は10¹⁰~10¹⁴Ω程度です。
  そのため、ブリードアウトが十分に進まないと効果が発現しにくく、特に気温の低い冬場や
 製造直後の製品では帯電防止効果が不十分な場合があります。
  弊社では、生産直後に高温室で24時間の養生処理を行い、ブリードアウトを促進しています。

  しかし、ブリードアウトによる「べたつき」を嫌うお客様もおり、効果とハンドリングの
 バランスが求められます。

  • 導電体タイプ
  導電体を練り込んだポリ袋の代表的なものは、カーボン(炭素)を使用したものです。
  このタイプのポリ袋(例:電子部品を収納する黒色の袋)は、非常に優れた静電気防止効果を持ち、
 表面固有抵抗を10⁵Ω前後まで低減できます。
  効果の安定性も高いですが、コストが高く、内容物が外から見えないというデメリットがあります。
 
  その他、極性を持つ樹脂を練り込む技術もありますが、静電気防止効果としては導電体を使用した方法には
 及ばないのが現状です。

●まとめ

 静電気防止剤は、ポリ袋の製造や使用において重要な役割を果たします。
 界面活性剤タイプは汎用性が高く、導電体タイプは高性能ですがコストがかかるなど、用途に応じた
使い分けが必要です。

 特に電子部品や精密機器の包装には、安定した帯電防止効果が求められるため、選定には十分な検討が
必要です。


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