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14.多層ポリ袋とガスバリア袋の違いとは?|特徴を紹介


 多層ポリ袋は、複数の素材を重ねることで防湿性や強度を高めた包装材です。
 さらに、酸素の透過を防ぐ「ガスバリア袋」も登場し、食品・医薬品の鮮度保持や保存期間の延長に役立っています。
 本記事では、それぞれの特徴や構造の違いをわかりやすく紹介します。
 
 近年、ポリ袋の多層化技術が進化し、さまざまな用途に対応できるフィルムの開発が進んでいます。
 多層ポリ袋は異なる特性を持つ樹脂を組み合わせることで、従来の単層フィルムでは実現できなかった性能を持つ袋を作ることができます。
 さらにバリア性能を向上させた多層ガスバリア袋も登場し、食品や医薬品などの保存性向上に貢献しています。

●多層ポリ袋とは?

 多層ポリ袋は複数の樹脂を積層することで、柔軟性・防湿性・強度などの特性を向上させた袋です。
 従来のポリ袋は、低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)といった単一の素材で
作られていました。
 しかし、HDPEは防湿性や引張強度に優れる一方で、厚みが増すと柔軟性が低下し、シール強度が弱くなるというデメリットがあります。
 
 これを解決するために、多層構造を採用した袋が開発されました。
 例えば、HDPEを中間層に配置し、外側をLDPEやLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)で挟むことで、
柔軟性を維持しながら防湿性とシール強度を向上させることができます。
 
 多層ポリ袋のメリット
  • 防湿性の向上:HDPEの高密度構造により、湿気の侵入を防ぐ
  • 強度の向上:HDPEを組み込むことで耐久性がアップ
  • 開口性の向上:HDPEを内側に配置することで袋が開けやすくなる
  • スリップ性の向上:HDPEを外側に配置すると滑りやすい表面を持つ袋が作れる
  • 食品包装に適用可能:無添加・低臭のLDPEと組み合わせることで、安全性の高い包装袋が作れる
 
 この技術により、食品や医薬品の包装だけでなく、工業用途でも利用が広がっています。

●多層ガスバリア袋とは?

 多層ポリ袋の技術を応用し、酸素バリア性能を向上させたものが多層ガスバリア袋です。
 
 一般的なポリ袋は酸素を通しやすいため、食品の酸化や劣化を防ぐには不十分でした。
 しかし、ガスバリア性の高い樹脂を組み込むことで、酸素の透過を抑え、食品の鮮度を長持ちさせることが
可能になりました。
 
 代表的な多層構造
  • 強度・耐ピンホール性が求められる場合
 ➡ ナイロン(Ny) / ポリエチレン(PE)(または PE / Ny / PE)
 
  • 酸素バリア性能が求められる場合
 ➡ ナイロン(Ny) / エチレンビニルアルコール(EVOH) / PE(または PE / EVOH / PE)
 
 ナイロンは引張強さや耐衝撃性に優れ、EVOHは酸素バリア性が非常に高い素材です。
 これらを組み合わせることで、耐久性と保存性を両立した包装袋が作られています。

●ラミネート袋との違い

 ラミネート袋は、異なる特性を持つフィルムを糊剤や接着剤で貼り合わせることで多層化したものです。
 この方法は、使用できる素材の自由度が高く、幅広い用途に適しています。
 
 一方、多層ポリ袋は共押出(コエクストルージョン)という技術を用いて作られます。
 この方法では、異なる樹脂を同時に押し出しながら層を形成するため、熱溶着が可能なポリエチレンやポリプロピレンを最内層に使用する必要があります。
 また、使用する樹脂の融点が近いことが求められ、適用できる素材に制限があります。

●まとめ

項目
多層ポリ袋
多層ガスバリア袋
ラミネート袋
構造
複数の樹脂(PE)を
共押出で積層
多層ポリ袋+酸素バリア樹脂を積層
異なるフィルムを接着剤などで貼り合わせ
代表的な素材
LDPE、LLDPE、HDPE
ナイロン、EVOH、PE
PET、アルミ蒸着フィルム、PEなど
防湿性
良好
良好
良好
酸素バリア性
低~中程度
高い
高い
強度・耐久性
高い
非常に高い
高い
柔軟性
高い
(多層構造で調整可能)
中~高(素材による)
中~低
(素材と接着剤の影響)
加工方法
共押出成形
共押出+バリア樹脂含む
多層成形
ラミネート
素材の自由度
限定的
(融点の近い樹脂が必要)
限定的
(共押出可能な素材のみ)
高い
(多様なフィルムを組み合わせ可能)
用途例
食品包装、医薬品包装、工業用途
酸素遮断が必要な食品・医薬品包装
高機能包装、
装飾パッケージ
環境対策
(リサイクル)
進行中
(リサイクル可能素材の研究)
進行中
(バリア層が難点)
難しい
(異素材混合でリサイクル困難)
コスト
中~低
中~高
高い
 多層化技術の発展により、従来の単層フィルムでは実現できなかった防湿性・強度・開口性・スリップ性・
酸素バリア性などを備えたポリ袋の開発が進んでいます。
 
  • 多層ポリ袋は、柔軟性・防湿性・開口性の向上に貢献し、食品・医薬品・工業用途で活用される
  • 多層ガスバリア袋は、酸素の透過を防ぎ、食品の鮮度を長持ちさせる
  • ラミネート袋は異なるフィルムを貼り合わせるため、使用できる素材の自由度が高い
 
 さらに、環境負荷の低減を目的に、リサイクル可能な素材を使用した多層フィルムの開発も進んでおり、
各メーカーが独自の技術を取り入れて改良を続けています。
 
 今後も多層化技術の発展によって、より高機能で環境に配慮した包装材料が増えていくことが期待されています。


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