16.医薬品製造工程におけるポリ袋の規格と課題|日本薬局方や国際基準との違いとは?
医薬品の製造現場では、製品の品質と安全性を確保するために、非常に高いレベルの衛生管理が求められます。
特に、無菌状態を維持する必要がある医薬品の場合、製造工程で使用されるポリ袋が直接製品に触れることもあり、その品質は製品の安全性に直結します。
医薬品製造用ポリ袋に関する現状の課題:
食品包装用のポリ袋には「食品衛生法」という明確な基準がありますが、医薬品製造工程で一時的に使用されるポリ袋には、専用の規格が確立されていません。
医薬品の最終包装容器(PTP包装や点眼剤容器など)には個別の規格が存在しますが、製造工程で使用されるポリ袋は、その中間的な位置づけのため、規格が曖昧になりがちです。
USP・EPなど海外規格におけるポリ袋の位置づけ:
米国薬局方(USP)や欧州薬局方(EP)では、「CONTAINERS(容器)」としてポリ袋に関する規格が
定められており、これらの規格は国際的な基準として参考にされています。
日本薬局方の対応と製造工程でのポリ袋使用基準:
日本では、製造工程で使用されるポリ袋に関して、日本薬局方「ポリエチレン製又はポリプロピレン製水性注射剤容器」の試験基準に適合するケースが多く見られます。
また、ポリ袋を「医療機器」として扱う場合には、より厳しい評価項目(感作性試験、毒性試験など)が
求められますが、製造工程での使用を想定すると、これらの試験をすべて適用するのは現実的ではありません。
その中で、日本薬局方で義務付けられている「細胞毒性試験」は、バイオマテリアル全般で重視されており、一つの重要な指標となります。
「医薬品製造工程用ポリ袋」と「食品包装用ポリ袋」の規格比較表
項目 | 食品包装用ポリ袋 | 医薬品製造工程用ポリ袋 |
規格の有無 | 食品衛生法による明確な規定あり | 明確な専用規格なし(参考規格あり) |
適用される法令 | 食品衛生法 | 日本薬局方など |
必要な試験項目 | 溶出試験、重金属、着色剤の規制など | 細胞毒性試験、溶出試験など |
使用環境 | 常温、一般的な衛生環境 | クリーンルーム、無菌環境など |
直接接触の有無 | 一般的に直接食品に触れる | 内容物との一時的・間接的接触あり |
まとめ
医薬品製造工程で使用されるポリ袋は、製品の品質と安全性を左右する重要な資材です。
現状では専用の規格が確立されていないため、日本薬局方の基準や海外の規格を参考にしつつ、高品質な原料の選定、製造工程の管理、品質管理体制の強化が求められます。

