23. 樹脂グレードとは?種類・特徴・選び方|医薬品・半導体包装に求められる品質管理
●樹脂グレードに対する業界の大変革
当社はクリーンポリ袋を製造する企業として、樹脂のグレードを最も重要な要素と考えています。
樹脂グレードは一般的に番手で表現され、「E-○○○」「R○○-○」などの形式で示されます。
クリーンフィルム業界ではこの番手設定に各社の技術やノウハウが詰め込まれています。
不溶性微粒子や不純物が少なく、フィルム強度に優れたグレードを選択することは、業界共通の課題です。
しかし、現在、樹脂業界では大きな変革が進んでいます。
それは樹脂メーカーの合併や樹脂グレードの統廃合です。
樹脂メーカーは多品種小ロット生産からの脱却を図り、競争力を向上させようとしています。
実際、現在のグレードは顧客ごとのカスタマイズが過度に進んでおり、セミオーダー感覚でグレード数が
増加しています。
同じ樹脂グレードであっても、添加剤のわずかな違いで細かい枝番が生まれる状況です。
このため、樹脂グレードを統廃合し、個別の顧客要求には加工メーカーが二次添加する形で対応する流れが
進んでいます。
●医薬品包装や半導体包装分野におけるグレードの特殊性
しかし、医薬品包装や半導体包装といった分野では、こうした統廃合が容易には進みません。
たとえ同じメーカーの特性が類似した無添加グレードであっても、「無添加」という要素だけで判断できるものではないのです。
医薬品業界では「GMP」をはじめとする各種規制があり、包装フィルムが被包装物である医薬品に長期間にわたって影響を与えないかを慎重に検証する必要があります。
各樹脂メーカーの無添加グレードに関して不溶性微粒子や金属不純物を測定していますが、単なる誤差の範囲を超えた大きな格差が確認されています。
したがって、薬事試験を実施し必要に応じて海外の規格も再試験する必要があります。
一方で、樹脂業界ではラジカル重合による低密度ポリエチレンからイオン重合による直鎖状低密度ポリエチレンへの移行が進んでいます。
この流れは今後10年のスパンで不可避なものとなるでしょう。
樹脂メーカーも新技術への移行を通じて競争力を高めています。
しかし、イオン重合には大きな課題もあります。
それは、触媒残渣や触媒助剤の金属触媒残渣が残留する可能性があることです。
この影響はごく微量であり、食品包装や一般包装では問題になりませんが、医薬品や半導体分野では深刻な
問題となります。
例えば、充填された内容物との化学反応や白濁、場合によっては異物として認識される可能性があります。
触媒残渣は1μm以下の極めて微細な不溶性微粒子として存在するため厳密な管理が求められます。
●樹脂グレード選定の重要性
医薬品分野は単なる企業の利益追求だけでは成立しません。
我々が製造するポリ袋に充填された医薬品を将来、自分自身が服用する可能性もあるのです。
そう考えると各種試験を徹底するのは当然のことです。
したがって、樹脂グレードの選定は単に製品特性だけでなく、樹脂メーカーの統廃合や製造プラントの変遷、さらには業界全体の動向を広い視野で捉えながら行う必要があります。
当社はこの情報収集に最大限の力を注ぎ適切な製品選定を行っています。

