33.フィルムに混入する「樹脂コゲ」とは?|異物不良の主因と発生メカニズム・対策
ポリエチレンフィルムに混入する黒い粒状の異物「樹脂コゲ」は、製膜工程で発生する品質不良の一つです。
本記事では、その原因・発生条件・防止策を技術的に説明します。
●樹脂コゲとは何か?|ポリエチレンフィルムの炭化異物
「樹脂コゲ」とは、ポリエチレン樹脂が製膜工程中の加熱溶融時に過度な熱を受けることで炭化し、黒色または黒褐色の微粒子状になった異物のことを指します。
樹脂コゲは通常の付着異物(昆虫や紙粉片など)とは異なり、樹脂自体が変質したものであり、フィルムの
層間に完全に埋没した状態で存在します。
そのため、爪で擦っても脱落することはありません。
●樹脂コゲの発生メカニズムについて
熱分解反応のプロセス
樹脂コゲは以下のメカニズムで発生します:
1. 過度な加熱による分子鎖の切断 |
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ポリエチレン樹脂が適正温度を超えて加熱されると、分子鎖が切断され、低分子化が進行します。 |
2. 酸化反応の促進 |
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高温下で酸素が存在すると、樹脂の酸化反応が促進され、アルデヒド基やカルボニル基などの官能基が生成されます。 |
3. 脱水素反応と環化反応 |
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分子鎖の切断と同時に脱水素反応が起こり、不飽和結合が形成されます。 これらの不飽和結合同士が反応して環状構造を形成します。 |
4. 炭化の進行 |
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環状構造が連続的に形成されることで、最終的に炭素が濃縮した黒色の炭化物(樹脂コゲ)が生成されます。 |
●樹脂コゲの発生条件|温度・滞留時間の影響
樹脂コゲの発生は温度と滞留時間に大きく依存します。
一般的には下記に様になります。
280℃以上:短時間でも樹脂コゲが発生しやすくなる
260-280℃:長時間の滞留により徐々に樹脂コゲが発生
240℃以下:通常の製膜条件では樹脂コゲの発生は稀
●ポリ袋製造における樹脂コゲ対策の基本
樹脂コゲは一度発生すると完全な除去が困難であり、製品価値を著しく損なう重要な品質問題です。
特に食品や医薬品包装分野では樹脂コゲの存在は製品の安全性に直結するため、発生防止対策が極めて重要となります。
温度管理、滞留時間管理、設備保全の三つの柱を軸とした総合的な対策により、樹脂コゲのない高品質なフィルム製品の安定供給が可能となります。
樹脂コゲは、ポリ袋製造における重大な異物不良の一つです。
発生メカニズムを理解し、適切な対策を講じることで、安定した品質の確保が可能になります。

