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35.ポリ袋の傷はなぜ起きる?|現場でよくある原因と対策方法

たかが傷、されど傷。

 ポリ袋にできる傷やピンホールは、一見些細なようでいて、大きなクレームにつながる深刻な問題です。

 ポリ袋は、安全性とコスト面で優れ、耐酸性・耐アルカリ性・一定の耐薬品性を兼ね備えた、食品包装から化学品のドラム缶内袋まで幅広く使われる万能容器です。


 しかし、一度傷が入ればその機能は損なわれ、本来の役割を果たせません。

 本記事では、製造・輸送・充填・梱包など各工程で発生しやすい傷の原因と、その具体的な対策を整理。

 再発防止に役立つ知識をまとめました。

 袋に傷がついてしまうクレームは比較的頻繁に発生します。
 傷のタイプを分析すると、「外から内へ引っ掻いたような傷」や「突き刺さったような傷」、
逆に「内から外へ引っ掻いたような傷」や「突き刺さったような傷」など、様々な形態があります。

 内容物を充填する前に発見された場合、大きなクレームには繋がりませんが、充填後に発見されると
大きなクレームに発展し、その後の調査が非常に困難になります。
 特に、内容物が液体や粘体である場合、その影響は甚大です。

●ポリ袋に傷が発生する主な原因とは?

 今回は傷について「袋への内容物の充填前」と「袋への内容物の充填時・充填後」に分けて説明します。
1. 袋使用前に発見される傷の原因(運送・梱包由来)
 まず、袋の外装包装が開封され、使用前に発見された傷についてご説明します。
 最も考えられる原因は、運送中の取り扱い不良です。
 運送中に打痕や落下などが原因で傷がつくケースは比較的多い問題です。

 この場合、調査は比較的簡単に行えます。
 ポリ袋は通常、長さ方向に畳んで包装されていますが、傷の位置がその包装紙の傷位置と一致することが
よくあります。
 この場合、傷は2〜3枚に渡って同じ位置に連続して発生していますが、傷が内側に向かっていくほど
弱くなります。
 特に、梱包の角部分に傷がつくことが多く、稀に梱包の底部分に傷がついていることもあります。
 調査を進めると、運送会社のトラックやパレットが木製で、そのささくれが梱包材に刺さり、底部分に傷をつけた事例もありました。
2. 製造工程での傷とその兆候
 次に、運送前に製造ラインで発生した傷についてです。

 ポリ袋は通常、以下の3つの工程を経て製造されます:
  ①樹脂を溶融させ、ポリエチレンチューブにして巻き取るインフレーションライン
 ②そのチューブを熱で溶着・裁断する製袋ライン
 ③出来上がったポリ袋を包装・梱包する包装ライン

 これらの工程では、過去の経験と反省を基に、傷がつかないように多くの対策が施されています。
 そのため、製造ラインで傷が発生することは少ないですが、主に包装工程でのヒューマンエラーが
原因です。
 梱包中に誤ってフィルムに傷をつけることが多くあります。
 
 特に、梱包後に傷がついた場合、これは運送中の傷と同様に扱われます。
 梱包作業には「はさみ」や「カッター」、「テープカッター」などが使われており、誤って触れたり、
落下させたりすることもあります。
 
 また、内容物が充填されていないにも関わらず、片面だけに傷がついている場合、製造工程において傷が
発生した可能性が高いです。
 特に、樹脂の炭化物やピンホールが原因であることが多いため、ライン全体の点検が必要です。
3. 内容物の充填時・充填後に発生する傷
 内容物充填時や充填後に発見される傷についてです。
 ドラム缶内袋用のポリ袋は非常に大きいため、ハンドリング中に何かにぶつけて傷がつくことがあります。
 また、ポリ袋をドラム缶にセットした際に、ドラム缶内面に「バリ」などがあると、これが原因でフィルムが傷ついたり、輸送中に内容物の重さで擦れて穴が空いたりするケースもあります。
 
 さらに、意外と柔らかい印象があるダンボールでも、輸送中にダンボールとフィルムが擦れ合うことで傷がつくことがあります。
 過去には、麺つゆをダンボールで輸送する際に予期しない漏れが発生した事例もありました。
 これは、特にアルミラミネート袋の硬さや鋭利なカット部分が原因となり、フィルムに擦れが生じて傷が
ついたことがありました。
4. 内側から外側へ向かう特殊な傷とは?
 ここで注目すべきは、傷が「内側から外側へ」と入った場合です。
 これは充填後の傷として考えられるもので、内容物が充填された後に袋の片面に傷が入る場合が多いです。
 片面だけに傷が入るのは、充填後の傷である証拠です。
 この場合、デジタルスコープを使用すれば、傷がどの方向から入ったかを特定することが可能です。
5.ポリ袋の折り方によるピンホールの事例
 今まで様々な考察を進めてきましたが、梱包工程中に発生する傷には別の要因もあります。
 その一つは、ポリ袋のたたみ方が原因で生じる傷やピンホールです。

 袋は通常、長さ方向にのみ折りたたむことが多いですが、袋の幅が広いため、幅方向に折ることがあるためです。
 このような場合に傷が発生することがあります。
 もし袋を口方向に折り、さらに長さ方向にも折ってしまうと、必ず長さ方向の折り返した部分に「角」が
できます。
 これを業界では「ツノができる」と表現しますが、口方向に折った際にできたR部分をさらに長さ方向に
折ることで、内外の角の寸法差が生じ、折った部分が尖ってしまうのです。
 この「ツノ」は非常に硬く尖り、薄いポリ袋でもその先端を指でつつくと、「ちくちく」するほどです。
 この部分が輸送中に包装資材と擦れ合った場合、先端部分が摩擦により破れ、ピンホールが発生することがあります。
 薄いフィルムの場合、外側の袋から数枚に渡ってピンホールが発生することもあります。
 
 この場合、傷の発生は片側のフィルムが外側から内側へ、もう片側は内側から外側へとなります。
 また、傷の位置は両面ともに同じ場所に発生するため、袋を幅方向および長さ方向に折りたたむ必要が
ある場合、包装単位の検討を慎重に行う必要があります。

●まとめ:ポリ袋の傷は「小さな問題」ではない

 このように、ポリ袋の傷は一概に言えないほど多種多様であり、非常に奥が深い問題です。
 お客様と私たち生産者は、原因を一つ一つ検証しながら対応しなければ、その場しのぎの対策や報告書の
提出だけに終わってしまいます。
 「原因は生産者の責任だ!」や「使用中に付いた傷だ!」といった責任追及や弁明ばかりに焦点を当てるのではなく、原因追及の姿勢を持ち続けて対応しなければ、解決は非常に困難であると考えます。
 
 まさに、「されど傷です」。
 
 ※この記事は、ポリ袋やドラム缶内袋でよく起きるトラブル(傷・ピンホール)の実例と対策を、
  製造・輸送・梱包の現場目線でまとめた資料です。
公式サイトはこちらから
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