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36.ニトロソアミン問題と医薬品包装|包装材料による発がん性リスク管理の考え方


 ニトロソアミンは発がん性リスクがある化合物として、製薬業界で注目を集めています。
 本記事では、フィルムメーカーの立場から、包装資材におけるニトロソアミン生成のメカニズムとリスク要因を解説し、効果的な管理方法について考察します。
 特に、原材料の選定や無添加LDPE袋の活用が、リスク低減に有効であることを紹介します。

●現在、製薬業界で注目されているニトロソアミンについて

 フィルムメーカーの立場からそのリスクコントロールに関する考察を行います。
 
 広く知られている通り、ニトロソアミンが問題視されている理由は、その中に発がん性リスクを有する物質が確認されているからです。
 例えば、ニトロソジメチルアミンなどが挙げられます。

●包装材料での対応の難しさ

 では、私たちが製造する包装材料において、どのように対応すべきでしょうか?
 まず、最初に考えられるのは、「ニトロソアミンフリー」を証明するエビデンスデータを持っていることではないか、ということです。
 しかし、実際には「それが簡単ではない」ことがわかってきています。

●ニトロソアミン生成の背景

 ニトロソアミンの汚染に関しては、考慮すべき要因が多いため、医薬業界では非常に複雑で厄介な問題と
なっています。
 その理由として、そもそもニトロソアミンはアミン類と窒素酸化物が反応して生成されるとされています。
 このアミン類は、私たちの生活の中でも頻繁に使用されており、例えば産業界では医薬品、エレクトロニクス、農薬、添加剤などに使用されています。
 また、海産魚介類にも二級アミンが含まれており、非常に身近な存在だと言えます。

●複雑化するリスク要因

 このように身近なアミン類と窒素酸化物が反応するとニトロソアミンが生成されるため、問題がさらに複雑化しています。
 さて、ここからが本題です。

 製薬業界や容器包装業界における問題点は、次のようになります。

●包装工程に潜むリスク

 前述の通り、ニトロソアミンはアミン類と窒素酸化物の反応によって生成されるとされていますが、
もし内容物中に不純物としてアミン類が残留しており、製造工程で窒素酸化物にさらされる場合、
ニトロソアミンが生成されるリスクがあります。
 
 少し強引な表現になりますが、原薬や中間体を包んでいる容器包装から窒素酸化物が溶出することも
リスクですし、生産工程で窒素酸化物に汚染される可能性がある環境下で、容器包装にアミン類が含まれていることもリスクとなります。

●リスク管理の必要性

 つまり、内容物が安定していてニトロソアミンを含まなくても、容器包装に含まれる成分や生産工程中の汚染によって、ニトロソアミン生成の引き金が引かれる可能性があります。
 そのため、そのリスクレベルまで管理を行わなければならないということです。
 
 簡略化すると、以下のようになります。
 
 アミン類 + (窒素酸化物) = ニトロソアミン類

 この空白に入る物質(窒素酸化物)のリスク管理を徹底する必要があります。
 また、アミン類が包装資材に含まれていなければ、生成の可能性をさらに抑えることができます。

●管理対象の例

 さらに、この空白に入ってはいけない物質の代表例は以下の通りです。
アミン類存在下でのニトロソアミン生成潜在リスクになるうる物質
・亜硝酸ナトリウム

・亜硝酸

・亜硝酸塩

・硝酸

・一酸化窒素

・三酸化二窒素

・四酸化二窒素

・ニトロセルロース

など、挙げればキリがありません。

●再生由来原料のリスク

 また、EMA(欧州医薬品庁)からの情報によれば、回収・精製・再生由来の原材料においても汚染リスクが指摘されており、これらの管理が求められています。
 
 つまり、包装資材においては、上記の物質群に加えて回収由来、精製由来、再生由来、さらにアミン類の管理が必要です。

●管理の難易度

 しかし、実際にはこれらの管理対象物質が多いため、安全性を担保することは非常に時間と労力を要します。
 
 理由として、一般的にユーザーが使用しているポリ袋は、LLDPE(直鎖低密度ポリエチレン)という種類の
ポリエチレン樹脂から製造されている袋です。
 このLLDPE製のポリ袋には、金属系触媒や酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、用途によっては
帯電防止剤や着色剤などが使用されることがあります。
 そのすべての物質について上記の管理を行うことは非常に高いハードルであるということです。
 さらに、管理対象物質は今後増えていく可能性もあるため、調査には時間がかかることは避けられません。

●管理強化の方向性

 では、「どのようにして管理を強化するか」についてですが、それは「使用する原材料を最大限に抑える」
ことです。
 複数種類の原材料(添加剤など)を使用するのではなく、使用原材料を単一化することで管理対象範囲を
限定し、調査対象を絞り込むことで管理を集中化できるという方法です。

●無添加LDPE袋という選択肢

 この仕組みをポリ袋に例えると、「無添加LDPE袋」という形になります。
 LDPE(低密度ポリエチレン)は、触媒を使用せず、高温高圧下でのラジカル重合によって生成されるため、
触媒や添加剤を使用しない純粋なポリ袋の生産が可能です。
 
 しかし、単に無添加の原料を使用すればよいというわけではありません。
 原料にはさまざまなグレードがあり、その中でもより純粋な原料を選定することが重要です。
 さらに、蓄積された実績や情報が純度や清浄性を決定する上で最も重要なノウハウとなります。
 
 当社では、厳選されたピュアな完全無添加LDPE原料を使用したASOクリーンポリ袋シリーズを提供しており、長年にわたり医薬品メーカー様への納入実績もあります。
 また、限定された製造ラインや標準化された製造手順、ISO Class 6のクリーンルーム環境で生産しており、二次汚染のリスクも低く、安心してご使用いただけます。

●まとめ

 ニトロソアミン汚染リスクは、医薬品包装において避けて通れない課題です。
 ・アミン類と窒素酸化物の両方を管理すること
 ・管理対象物質を減らすため原材料を単一化すること
 ・無添加LDPE袋など、リスクの低い包装資材を選択すること
 これらの取り組みによって、長期的かつ安定的な安全性確保が可能となります。
 
 今回はニトロソアミンに焦点を当てて記述しましたが、急速に化学物質管理が厳格化している環境において、無添加LDPE原料のみを使用し、クリーンルームで生産された高品質なポリ袋を選択することは、
今後のユーザー様における容器包装の管理強化につながると考えます。

 ぜひ、お声がけください。
公式サイトはこちらから
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