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24.樹脂グレードについて

◆ 樹脂グレードに対する樹脂業界の一大変革

我々、クリーンポリ袋を製造する会社として、樹脂のグレードはもっとも大切なファクターです。樹脂グレードは一般的には番手で表現されています。例えば、「E-○○○」とか「R○○-1」のようにです。クリーンフィルムの業界では、この番手設定が各社の色々なノウハウが詰まっている要でもあります。出来るだけ不溶性微粒子・不純物等が少なく、かつフィルム強度に勝ったグレードを選択したいのは誰しも同じテーマです。しかし、この樹脂グレードに対して樹脂業界としても一大変革が始まっております。
それは、樹脂メーカーの合併を始め樹脂グレードの統廃合が進んでいるのです。見方を変えれば、樹脂メーカーからすればできるだけグレード統廃合を進め多品種小ロットから脱却し競争力を向上させる。これは、ある意味当然と言えば当然の事であります。また、私見ではありますが、現在のグレードは確かに顧客専用のカスタマイズが進みすぎている一面も事実です。顧客によりセミオーダー感覚で樹脂グレードが増え過ぎてしまう。同じ樹脂グレードでも添加剤の僅かな含有量の異なりによりグレード枝番が増えるという現状です。よって、グレードを統廃合してそれ以上の個別の顧客要求は加工メーカーで様々な添加剤を二次添加して顧客のカスタマイズに対応する・・・・・・。

◆ 医薬品包装や半導体包装分野のグレード

ただ、そこで我々の携わる医薬品包装や半導体包装分野のグレードでは、そう簡単に事は進みません。同じメーカーの特性の良く似た無添加グレードとしても医薬品包装となると、同じ「無添加」と言う事だけでは決して話は進みません。医薬品業界では、「GMP」をはじめ色々な規制に縛られているのです。よって、その包装フィルムが被包装物である医薬品に経時で何らかの影響を与えないか、安定性試験は当然として場合によっては諸規格の再試験が必要となります。また、医薬メーカー様のお客様へも使用フィルムの情報を提示しておられるため、ご了解も必要になって参ります。
確かに当社でも各樹脂メーカーの類似した無添加グレードの不溶性微粒子や金属不純物等を測定致しておりますが、グレード格差が誤差の範疇ではなく大きな格差が発生しているのは検証済みです。当然我々もそれに伴い、薬事試験を始め場合によっては海外の諸規格も再試験となります。
しかし、その反面樹脂業界ではラジカル重合の高圧法ポリエチレンから、イオン重合の直鎖状低密度ポリエチレンへシフトして行こうと言う大きな流れがあります。ここ数年は問題ないとしても、10年のスパンではこの問題も確実に避けられない問題でもあります。樹脂メーカーも新しい技術への移行が競争力の向上へとつながっているのです。そこで最大の問題点としては、新しい技術でもあるイオン重合では残渣触媒や触媒助剤の金属触媒残渣の残留が避けられないのです。これは、超微量であり食品包装をはじめとして、一般包装には全く影響はありません。しかし、医薬品・半導体業界からすると大きな問題となります。充填した内容物の反応や白濁、最悪の場合は超微細な異物として確認される場合があります。触媒残渣は、1μm以下の非常に小さな不溶性微粒子として存在します。
最後に我々の携わる医薬品分野は企業の利益追求だけでは成り立ちません。もしかすると、明日自分たちが病気になって飲む医薬品が我々の生産したポリ袋に充填されていたかもしれないのです。そう考えると、諸試験は当然と言えば当然。人間勝手なもので、こと自分の事となると話は別です。点滴中に不溶性微粒子が輸液バック内に存在したら即ナースコールでしょう・・・・また、錠剤に白粉等が付着していても即お客様センターにTELでしょう。・・・よって、樹脂グレード選定はそのグレードの樹脂メーカーでの位置づけや製造プラントの統廃合、しいては樹脂メーカーの合併など幅広い視野で考えるのと情報の収集がもっとも重要なテーマです。当社も及ばずながらそれに最大限の力を注いでいるのも事実です。よって、当社はそこの所を良く考え抜いてお客様へ商品PRをすべきものと考えております。まさに「たかがポリ袋。されどポリ袋」です。石油はまさに今売り手市場で、買手の論理も通用しにくくなって参りました!!!
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