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29.真のクリーン静電気防止袋とは?

弊社には本当にたくさんのお客様からお引き合いを頂戴しているテーマとして「クリーン袋の帯電防止タイプ」があります。しかし、悲しいかな今まで当社営業マンは事あるごとに「帯電気防止とクリーンは反命題です!!」とお答えしなければならなかったのが常でありました。現在の樹脂におけるクリーン静電気防止技術として代表的なものは、
 
  1. 有機系や金属系帯電防止剤を樹脂体積中に練り込む(練り込み方式)
  2. 同じく各種帯電防止剤を樹脂表面にコーティングする(コーティング方式)
  3. 多層フィルム化し、中間層/最外装に各種帯電防止剤練り込みの樹脂を使用する
  4. ラミネートフィルム等の場合は接着剤等に帯電防止剤を混ぜ込む
 
といった方法が主流であります。
 
しかし、この「静電気防止剤」が大の曲者であります。まず 1.の帯電防止剤を樹脂体積中に練り込む方法ですが、有機系「界面活性剤」を練り込む方法であります。界面活性剤は、価格的にも安価で一番ポピュラーな帯電防止剤であり、なおかつ吸湿性が高く、フィルム表面に凝集粉化した界面活性剤が空気中の湿度を吸収し、静電気を帯びたフィルムの電荷を空気中に放電し易くするタイプです。しかし、ここで問題になるのは産業用途や食品はともあれ、いざクリーンルーム内で使用するとなると、フィルム表面に凝集粉化(ブリード)した界面活性剤がパーティクルの原因となり、クリーンルームの汚染はもとより被包装物に対しても様々な問題を引き起こすのです。基本的にクリーン用途では絶対に不向きなタイプであります。
次に 2.の金属系帯電防止剤(炭素や金属)をフィルムに練り込む方式もあります。要は導電体を樹脂体積中に練り込む方式です。当然導電体を樹脂体積中に練り込むわけですから、静電気防止効果も著しいものがあります。さらに、半極性を持った軽金属を(カリウム、ナトリウム、ボロン等)樹脂体積中に練り込みによりフィルムの表面固有抵抗値を下げると言う方法もあります。余談にはなりますが、これらの方法が良く耳にする「永久帯電」と言われている帯電防止フィルムです。しかし、半導体関連分野においては、これらは重金属であろうと軽金属であろうと金属不純物としてコンタミネーション汚染の原因となりクリーンルームや被包装物を汚染させクラッシュ等の原因になってしまう可能性があります。また、これらはイオン汚染の問題も併せて引き起こす場合もあります。
「それならそのような用途にはどんな帯電防止フィルムがあるのか?」と言うテーマにぶつかります。答えは今までは「NO」でありました。静電気防止とコンタミネーション汚染の防止は全く反命題で、相容れないテーマでもありました。界面活性剤は問題外として、静電気防止の効果を期待するのであればやはり「重」であろうが「軽」であろうが最終的にはそれらの金属を体積中全てが多層化して中間層に練りこまざるを得ないからです。(中間層のみに添加の場合は表裏に対する静電気防止効果はあまり期待できませんし、フィルムカット時など製造ラインの汚染原因となります)
そしてその結果自社製造ラインはもとより、あってはならないお客様の製造ラインの汚染や被包装物の汚染、しいてはクリーンルームの汚染に繋がるからです。付け加えますと、フィルム表面に静電気防止剤をコーティングする方法もありますが、生産工程や加工工程でのコーティング剥離や剥離による生産ラインの汚染や移行転写などこれも不向きな方式であり、使用時もクラッキングによるコーティング亀裂の問題が発生します。
しかし、クリーンルーム内におけるフィルムのチャージはこれまた防止しなければならないテーマでもあります。それは、包装材料である非導電体であるポリエチレンフィルムや樹脂フィルムが異物を呼び集める物体となってしまうからです。
さて、ここからPRとなってしまうのですが、当社「ASOハイクリーン永久帯電防止規格袋」はこの反命題を解決した如何なる界面活性剤や金属等も一切練りこまない、従来技術とは技術を異にした真にクリーンな帯電防止フィルムなのです。
この商品の開発テーマは、当社が経験したテーマの中でも難易度の高いテーマであり5年近くの歳月を要したテーマでもありました。この部分は現在特許出願中ですので、時期を見て「まめ事典」にアップさせて頂ければと考えております。開発過程の中で、安全性の確立・微量金属の分析・イオンその他のコントロールに試行錯誤を繰り返し、時間を有したのも事実であります。
そして単純なテーマでもあるのですが、袋としてのヒートシール強度が普通のクリーンポリ袋と変わることのないシール強度性能の付与にも苦慮した次第です。結果従来の当社ハイクリーンポリ袋を凌ぐ低パーティクル・超清浄で、金属コンタミネーション汚染の極めて低い帯電防止袋としてお勧めできる「ASOハイクリーン永久帯電防止袋」が完成致しました。是非「ASOハイクリーン永久帯電防止規格袋」をお試しください。
 
公式サイトはこちらから
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