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33.ポリエチレン袋の「ガンマ線」「電子線」滅菌について

滅菌・殺菌処理の重要性を再認識させられる事件や事故が発生し、各企業への安全・衛生および品質管理に対する要求がさらに厳しくなってきております。記憶に新しいところでは、新型インフルエンザや鶏卵・鶏肉の高病原性鳥インフルエンザ汚染、過去問題になりました、BSE感染牛、乳製品の黄色ブドウ球菌汚染による集団食中毒や死亡者まで出した牛肉の病原性大腸菌O-157汚染による集団食中毒の流行などがあり、食の安全に対する関心が世界的に高まってもおり、PL法の施行により製造物に対する企業の責任はかつてないほど重いものとなってきているのは周知の事実です。
このような事故や法規制により、食品業界ではHACCPなどの管理体制強化により滅菌・殺菌処理のニーズが高まっております。また、医薬・医療分野では、使い捨て(ディスポーザブル)医療機器などの普及と、従来多くの滅菌に利用されているガス滅菌(EOG)の問題点が表面化し、放射線(ガンマ線・電子線)滅菌が注目され需要が伸びてきており、このような時代背景も影響して包装資材の『ガンマ線滅菌』『電子線滅菌』は医薬製薬業界、化粧品業界、食品業界など幅広い業界で採用され始めております。
それでは、業界別の滅菌のニーズについて下記にまとめてみました。

I. 医薬業界

経口薬とは違い無菌製剤の製造現場ではあらゆるものが滅菌されており、大抵の容器およびキャップ類は滅菌され、クリーンルーム内に持ち込まれる包装資材なども当然ながら滅菌されております。医薬業界では全般的に品質管理の要求が厳しくなり、クリーンルーム内での使用の有無に関わらず滅菌済み製品・包装のニーズも高まっており、日本国内においても一部の製剤及び原薬で放射線滅菌が承認されております。
 

II. 食品業界

食品業界では加熱しない生鮮食材も多くなってきており、保管中や店頭陳列中のカビ発生などを回避するため、食品の包装や充填には、クリーンルーム内の無菌充填包装システムが多く利用されています。
それだけにそこで使用される包装材および容器などの管理の重要性が増しており、容器類の滅菌、無菌充填時の滅菌方法として、過酸化水素水(H2O2)、紫外線滅菌やガス滅菌が利用されているが、毒性の高い薬剤やガスの残留の問題、湿式滅菌では後処理工程に時間がかかる事などから、包装材や食品容器では滅菌後残留物の心配がない放射線滅菌を選択する企業が増加してきております。
 

III. 化粧品業界

過去に目の周りに使用する化粧品で緑膿菌による失明事故がおきており、業界としては滅菌することが望ましいとされており、滅菌が必要とされる化粧品容器および原料の多くは、これまでガス滅菌(EOG)が行われていたが、残留ガスの問題、毒性のある副生成物(エチレンクロルヒドリン)やアレルギーなどを問題視し、放射線滅菌へ切り替える傾向が強まっております。
次に、『色々な滅菌方法』『電子線・ガンマ線滅菌の実例』『放射線滅菌による素材への影響』をまとめてみました。
 
 
【色々な滅菌方法の比較】
【電子線・ガンマ線照射による滅菌殺菌の実例】
・医療機器 ・不織布、衛生材料 ・理化学、臨床検査器材
・各種容器や包装材料(医薬・化粧品) ・医薬、生薬、化粧品原料
・食品容器や食品包装材料
・実験動物用飼料 ・飼育器材 ・動物用医療機器 など
 
【放射線滅菌による素材への影響】
○=変化無し △=変化あり ×=際立った変化が見受けられる
各種包装材および容器の放射線滅菌が注目され需要が非常に伸びてきております。ただし、放射線滅菌を利用するには、その長所や短所を理解した上で対処する必要があり、事前に放射線照射による材料への影響(着色、発臭、強度劣化)を確認し、材質面での充分な吟味が必要であり材質選定が非常に重要な選定要素と言えます。
今後、業界に関わらずこれまで未滅菌で使用していた製品の滅菌を検討する企業が増加傾向にあります。とりわけ、リスクマネージメントの観点から自社責任で品質不良を未然に防止すること、また微生物汚染によるクレームの低減を主目的として、放射線滅菌を利用する事例が多くなってきており、中でも「医薬業界」「食品業界」「化粧品業界」で使用されているポリ袋には更なる品質向上が求められており、当社ではそのようなテーマに対応すべく「ポリ袋」「クリーンポリ袋」「ラミネート袋」をはじめとして、規格化している殆どの製品を『小ロット』『短納期』で滅菌した状態で納品出来る体制を整えております。