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22. 便利なポリエチレンの性能

さて、ポリエチレンはとっても便利な素材であります。それは、何よりも「低価格」「強靭」そして「柔軟」な素材であるからです。さらに焼却時、塩化ビニールのような(ある条件下での焼却には限りますが)ダイオキシンの生成もなく大変安全な素材でもあり、ポリエチレンは「袋」の代名詞でもあります。
 

◆ 何故ポリエチレンが袋の代名詞でありえるのか?

まず、その理由としてはこのポリエチレンフィルムの最大の特長、熱可塑性樹脂であることです。加熱により再度溶融するためその特性を利用して樹脂を好きな形状に合わせて接着(溶着)することが出来るのです。この特性を生かした最たるものがポリエチレンチューブを袋にするため製袋機等で行なう「ヒートシール」です。
ポリエチレンは一般的に軟化温度が80℃~90℃で、溶融温度でも110℃~120℃程度ですので簡単にこの便利な特性が利用できます。家庭用でも袋の口をシールするシール機が販売されている由縁です。
さて、当社でもこのポリエチレンを製袋機でヒートシールしているのはもちろんなのですが、さらに当社ではこの特性を利用した色々な二次加工製品も生産致しております。例えば「パレットカバー」。これは、パレットに原料袋やドラム缶、ダンボ-ルなどを積んだ際「雨濡れ」や「ゴミ・ホコリ付着」を防止するため、商品の全体に被せるポリエチレン製の直方体や正方体状のカバーです。加工工法は「天張り」「T字シール」「Y字シール」「H貼り」「四隅貼り」「側面張り」などいろいろありますが、基本的にはポリエチレンシートやポリエチレンチューブを切ったり、ヒートシールで引っ付けたりして加工して行きます。
また、ダンボールケースなどの内装袋で良く使用される「角底袋」も同様にポリ袋の両角をカットしてヒートシールをして加工生産されます。また、加工方法も手作りであるが故、細かな細工も可能となります。例えば先程のパレットカバーも屋外使用時に風により飛ぶのを防ぐため、カバーのすそ部分に「ゴム」などを通しポリエチレンフィルムを折り返して筒状のヒートシールをした「ゴム通しタイプ」などの加工も可能なのです。これも、ポリエチレンのヒートシール性の良さを利用した商品の一つです。

◆ 便利なヒートシール性能の盲点

他にも当社では、「玉シール内装袋」「角底内装袋」などの加工商品やフィルム部分に同素材の成型品(口栓・キャップ等)を,熱溶着させたりした加工品の生産も致しております。但し、ゴミよけやカバー用途の熱溶着では全く心配はありませんが、この便利なヒートシール性能にも盲点があります。特に成型品の取り付けの場合はフィルムと成型品の樹脂特性を吟味しないと成型品が容易に取れたりヒートシール強度が上がらなかったりする様な思わぬトラブルが発生します。
また、ヒートシールは同素材同士でないと溶着しない事にも注意が必要です。ポリエチレンとポリプロピレンは見た目には変わりません。よって、引っ付けたと思っていてもポリエチレンやポリプロピレンの自己粘着性で擬似溶着している状態ですので、ほとんどと言うか全く強度が上がっていません。要はフィルムにしろ成型品にしろ、ポリエチレンはポリエチレン同士。ポリプロピレンはポリプロピレン同士である必要があります。また、ポリエチレンでもHDPEとLDPEやLLDPEがありHDPEとLDPEでヒートシールしてしまうと思うような強度が得られません。よって、素材は外見で決め付けるのではなくしっかりとした分析を行なう必要があるのです。特に当社の得意としているコンティナーやドラム缶内装袋用途などの重量物流ではこのグレード選択が命取りとなります。当社もこれには大変手痛い思いをした事があります。
最後に、さらにポリエチレンフィルムは、インフレーション工程でポリエチレン樹脂に着色トナーや紫外線吸収剤や防錆剤や静電気防止剤などの付加性能を持たせるためにマスターバッチ方式で簡単に練り込み(分散混練)が可能ですので、当社のポリエチレン(PE)製角底カバー(UV/紫外線カットタイプ)などの製品の生産も容易に行なえます。
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