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36.ニッカリコって?

さて、今回のまめ事典はラミネートの製袋工程などで使用され良く耳にする「ニッカリコ」についてまとめてみました。ニッカリコは、紙・フィルム・パックの印字やラミネートフィルムのシーラントであるポリエチレンの低分子量ポリエチレンや各種添加剤ブリードなどによる密着(ブロッキング)を防ぐための工業用の密着(ブロッキング)防止剤です。
 
「ニッカリコ」のネーミングは、我々包装業界においてはとてもポピュラーで頻繁に使われている言葉です。しかし、調べてみますとニッカリコの「コ」は、「粉」ではなくカタカナの「コ」であるようです。
 
さらに、その名前の由来はその生産メーカーであられる、ニッカ株式会社様の名前に繋がるのです。今まで、私を含め(私だけかもしれませんが・・・)結構多くの方が「ニッカリ」という「粉」・・・・があるものだと思っておりました。しかし、事実は「ニッカリコ」という製品名だったのです。まさによくある、商標が製品名になっているパターンです。また、当社のホームページのまめ事典にもこの「ニッカリコ」というキーワードの検索が大変多く今回のまめ事典にアップした次第です。
 
さて、ニッカリコですが、ラミネートフィルムの製袋加工では必要不可欠なアイテムであります。特に、帯電防止(静電気防止)処方されたフィルムの場合は、空気中の微量の水分をフィルム表面が吸湿するため、フィルムの滑りが極端に悪くなり製袋工程やご使用時の自動給袋時に袋と袋が2枚引っ付いて持ち上がりトラブルを発生させたり致します。ニッカリコは粒径10μm程度の細かい球体であり、それらがフィルムの間の夾雑物となって開口性やフィルム同士の離型性を飛躍的に向上させるため、それらのトラブル防止に最適な密着(ブロッキング)防止剤であるのです。
 
よって、食品分野や産業分野ではニッカリコの成分が自然由来の非遺伝子組み換えの澱粉であり安全でかつ低価格で大変重宝される密着(ブロッキング)防止剤であります。また、シーラントフィルムであるLLDPEフィルムもグレードによってはブロッキングがしやすいタイプもあり、袋内面のブロッキング防止のためにもニッカリコを使用するケースもあります。
 
しかし、当社がお付き合いさせて頂いております医薬品分野や半導体分野などのクリーン分野に話を移しますと話が全く異なって参ります。半導体分野では例え澱粉と言え純粋に「異物=パーティクル」であり、医薬品分野においてはそれ以外に真菌の発生原因になります。さらに澱粉でありますので真菌にとっては良好な栄養源であります。
 
当社ではクリーンルーム用途のラミネート袋を生産致しておりますので、ニッカリコフリーのラインでラミネート袋を生産致しております。理由としては、一度ニッカリコを使用してしまうとライン全てと室内が汚染されてしまうのです。物が物ですので、製造後拭き取り工程があったとしても、微量の澱粉が残っていると真菌の繁殖要因となります。我々が生産活動をしているクリーンルームでは湿温調整されておりますので、真菌にとっては適度な湿度、適度な温度が維持され真菌にとってはまさにパラダイスでもあります。。。。。。
 
よって、「使いたくても使えない」という命題が発生してしまいます。従いまして、大量にご使用いただける食品分野などの自動給袋や自動包装向けラミネート袋の生産が出来ないのであります。まさに、両刃の剣であります。
 
最後にPRとなってしまいますが、クリーンルームでのご使用になられるラミネート袋がご必要な際は是非お声がけください。
公式サイトはこちらから
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